ひみつのコウカン♡ダイアリー

強くて可愛い男の子

少年たち 日生劇場

日生劇場の真っ赤なじゅうたんが銃弾に倒れた彼の血の海に見えてきて私は卒倒しそうになった

(ふだんあえて大切なことを考えないようにする癖がついているせいか少年たちの話の本題かつ主題については永遠に上手く話せる気がしないし、いくら考えても私が期待するところとは別の箱の中にあるのでここではあえて割愛する)


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私が伝えたいし一生忘れたくない景色、
松村北斗日生劇場の床でターンするときにふいに聞こえるキュッキュッっていう音、三半規管を緩やかに震わせるようないつまでも耳に残る足音。
雨に濡れた犬を抱き上げた時のようなくうっと上がった口角、夜の湖に反射した月明かりのような照明に強く照らされ憂いを帯びた真っ黒な瞳。その瞳からこぼれ落ちたいかにも熱を持っていそうな熱いキラキラのしずくたちは永遠に手に出来ない夜景のようだった。

日生劇場にはいるとむわっと漂うあの匂い、裏通りの古びた骨董品屋さんのようだ。人々が積み重ねてきた念が回遊するかのようなあの螺旋階段。一瞬の中に詰め込まれた空気はただただ私にとって松村北斗の新世界の1時間目授業のようだった。そこに存在するすべてを確認し頭に焼き付けよう、忘れまいと必死だった。拾いあげ綺麗なお気に入りの箱の中に入れて鍵をかけたかった。

劇中の中盤に歌われるSixTONESのオリジナル曲”この星のHIKARI”という曲がある。
この曲はほっくんが真ん中で歌い、踊っているわけではないがそういうしょうもない嫉妬や悲壮感はここにはない。舞台上で踊り歌っている姿を見ていると心の奥から透き通った炭酸水が湧いてきて彼らや私たちを取り巻くいざこざや悲しみや汚れが洗われ流れていくような心地よさだった。SixTONESっていう存在を心の隅から隅まで画鋲でピシッと貼られていく音が聞こえるくらいに妙に説得力がある曲だった。

舞台にしては短い公演が終わり外にでると、あの独特な空気に満たされていた。あのお堀の水分と日比谷公園の緑と人が作ったビルやコンクリートが混ざり合う濃い空気だ。
この街はいつだって遭難できる。危うく命を落としそうになりそうな不思議な高揚感がある。

夜景のように届かなく遠くに繰り広げられる彼らと遭難しそうな日比谷の空気の危うさとがぴったりハマっていて素敵な夜だった。