2/5 Endless SHOCK
つい先日私にとって気になるニュースがあった。ミュージックカードがオリコンランキングの集計外となる事が決定したというニュース。ミュージックカードとは1枚300円のカードにシリアルナンバーが記載されておりURLにアクセスしナンバーを入力すると1曲ダウンロード出来るアレだ。今更ディスるのもねちっこくて気がひけるが6枚セット購入でメンバーとハイタッチできるかもよー!へへへ!触りたきゃ買えば〜?!っていうなんのひねりもないクソ商法だ。だが私にとってはミュージックカードを大量に買う事が自担に会えるかもしれない可能性に縋る唯一の手段だった。だがそうだきしくんはジャニーズJr.(世間からみればその他大勢etc...)だった。出演するかなんてその日になってみないとわからない。学校でも区役所でも教えてくれない、Jr担おなじみの苦行。なんでもいい私にとってきしくんはきしくんなんだ...!!.....結果からいうと50枚以上買ってイベントに当たらなかった上にきしくんはそのイベントに出なかった。挙句そのカードという存在はクソ商法という汚名を背負いながら短命でこの世から抹消された。
クソ商法に乗ってしまった自分に怒ってるわけじゃない、嫌なら買わなきゃいいのだから。何がこんなにモヤモヤするのかというとこんな短命で終わると分かってる金の亡者丸出しブレブレな物体を世に放つ運営に私の自担に対する気持ちがわかってたまるか!?!なんで短命なものをアイドルという普遍的に夢を与えるべき存在の商材につかう?今がよければ全ていいの?売上がそんなに大事なの?消費者をバカにするのもいい加減にしてほしい。もっと運営がアイドルを敬ってほしい5年後10年後を考えてほしい.....
2/5窓の外には雪が降り仕切っていた。
出演者の中に自担の名前が存在しているとんでもない安堵の気持ちとSHOCKという得体の知れない大きな物に飲み込まれそうな緊張で反比例で目の前が真っ白になりそうだった。
日比谷駅直結の帝国劇場に到着する。
なんでむっちゃ直結なんだよ意味わかんないし便利か と毎度のツッコミとともにこの建物の奇怪っぷりと昭和っぽさに陰謀じみた物を感じレトロ&オカルト大好きの私の心を刺激した
15年分の光一さんがお出迎えしてくれた。
ああこれあの時の!と感慨に浸る歴史は私にはなかったし、正直カンパニーとか座長とかそういう舞台言葉?に私は慣れない。
思ってた事がある。
”SHOCKは敷居の高い舞台だから”
それはとてもいい事だと思うしお客様と出演者、スタッフで本気で今まで培ってきた歴史があるんだなぁすごいなぁと感じた。きっとジャニーズの事知らない人でもSHOCKって名前は知ってると思うしそんな舞台に出る事が出来るきしくんをとても誇りに感じたし頼もしかった。単純に事前に出演することが確定していてそこに名を連ねるきしゆうたとSHOCKが本気で楽しみだったしその為に仕事も頑張ろうと思えた。
だが
Jr.担がSHOCKの敷居を下げる、新規だからSHOCKのマナーをわかってない。という声
正直意味がわからなかった。わかりたくもなかった。舞台を楽しみたいという気持ちは皆同じなのになんでそんな事を偉そうに言うんだろう...客に優も劣もないだろうと思ってしまった。
だがSHOCKのパンフレットを購入し開くとその1ページ目に光一さんからこんなメッセージがあった
「お客様には構えることなくフラットな気持ちで、ステージから発せられるエネルギーをダイレクトに感じてほしい」
...私の疑問も欲しかった答えも全てここにあった....不安を消してくれる いいんだよ!普通に観て!楽しんで!って言ってくれてるのかな...嬉しかった。きしくんが1番に光一さんを尊敬する意味が少しだけどわかった気がした。....いつか..いつかきしくんにもこんな事を言えるようなひとになってほしいな...と自担の10年後に思いを馳せる。
開演
ゴリゴリに踊り動き踊るユウタ
そこにはドラマでもライブでもバラエティでも見せない顔をしていた
オフブロードウェイで後輩わんこ丸出しでニッコニコで踊るユウタも
ジャパネスクで「いまから殺し合いをしてもらいまーす」のバトルロワイアルふじわらたつやバリのイってるユウタも
夜の海〜桜の涙腺ぶっ壊れたぐへぐへ泣いてるユウタも全部違って全部ユウタだった。その表情はすべてすぐにでも思い出せる...それぞれにきしくんが付けた様々な色がついていた。最後の最後は実際のコウイチを見て(よかった...本物は生きてる)みたいな感じでさらにぐへぐへ泣いて...そんなのみて心を動かされない理由なんてなかった。
気付いたら双眼鏡の中に涙がたまるという故障まったなしお客様過失保証対象外案件だった
外に出ると雪はとっくに止んでいた
帰り道、日比谷の地下に複雑に張り巡らされた地下街のカラフルな案内マークがユウタの喜怒哀楽の色に見えてきてどれに乗れば家に帰れるのかわからなくなった。都営三田線有楽町線千代田線日比谷線...きっとどれにのってもいずれは帰れるんだ全部ユウタなのだから....
茶髪になっても体が”大好物はプロテインでーす”みたいになっても髪の毛刈り込んでもドラマ主演しても15万の革ジャン着てもゴールデンのバラエティに出てもきしくんはブレてなんかいなかった噛みちぎれないほどにユウタという芯があった私が思っていたより全然強かった。
20歳になっても....デビューしてもユウタはユウタでいて欲しいと願わずにはいられない場所。確固たるものを感じた。あのブレてばかり今がよければそれでいいと私の気持ちを冒涜しモヤモヤさせていた感情がすべてフッと消えていったのがわかった。
短命なる存在と対局にいた....本物だった。
月島紗南